入試対策…社会編
社会の傾向概要
社会は地理・歴史・公民の3分野からそれぞれ20点ずつ出題されます。大問は6問構成で、大問1・2が歴史、3・4が地理、5・6が公民です。ただし、大問6は「総合問題」として、地理や歴史分野の知識を 必要とすることもあります。
近年は記号問題が減り、記述問題が増加する傾向にあります。また、記号問題も両解(2つセットで正解してはじめて得点する)が増えてきており、単純な暗記だけでは高得点を狙いにくくなっています。
前後関係や関連する事柄を把握して、それを整理できる力が必要になってきます。
これらは一朝一夕に身につくものではないので、普段から少しずつ整理していきましょう。
歴史的分野
歴史は、平成28年度(2016年度)までは 大問1が古代から近世/近代(19世紀ごろ)までのできごと、大問2は近現代のできごとが出題されていました。
ところで、29年度(2017年度)より 大問1は古代〜現代の全体的なまとめ、大問2は主に近現代の一部を切り取ってまとめたものが出題されるようになりました。
略年表やカード形式でまとめられた歴史について、その時代の政治や文化を比較したり
前後に起きたできごとを答えたりする問題が多く、そのほとんどが記号問題です。
しかしながら、近年は語句記述ではなく短文記述の問題も増えており、さらに指定語句もあるため
単純な丸暗記だけではなく 時代の背景理解や特徴を押さえないと 解答が難しくなっています。
すべての時代について覚えるのは難しいと思いますが、各時代の特徴と前後関係を関連づけていくと
丸暗記するよりは楽になるかもしれません。
また、明治時代以降の資料は 地理・公民分野で学ぶ知識とも関連づけながら解いていくと、正解に一歩近づけることがあります。
地理的分野
大問3が世界地理、大問4が日本地理です。
世界地理では、ほぼ毎年 世界の略地図が与えられて、その地図中の記号で記された国や地域に関する問題が出題されています。
また、雨温図や複数の国の緯度・経度・本初子午線・赤道との位置関係を問う問題も多いです。
加えて、近年は記された記号ではなく その国の名前を答えさせる問題も出てきており、「国の場所はわかるけど
国名がわからないから不正解」となる受験生も多いのではないかと思います。
日本地理では、日本の略地図に加えて農業・工業について図やグラフの資料を用いていくつか問われます。 地域や地形による特徴を知ったうえで、それらから言えることや考えられることを言葉(文字)にできるようにしましょう。
特に地理分野は、以前にも増して資料問題が充実してきています。
その一方で、単純な暗記で答える知識問題よりも グラフや統計資料から読み取れることを
記述形式で答えさせる問題も増えてきているので、どうしても暗記が苦手だという人は 記述対策を強化するのも一つの手です。
ただし、その国や都道府県・地域の特色を知らないと答えられないものもあるので、ある程度の知識は必要になります。
公民的分野・総合問題
政治分野は基本的人権・日本国憲法・国会/内閣/裁判所の仕事・三権分立の仕組み・地方自治などが中心に、
経済分野は景気変動・財政・国際経済などが中心に出題されています。
近年は時事を反映した問題の出題傾向も高まっているので、普段から新聞やニュースに目を通して
興味・関心を持つことも重要になっています。
資料問題もグラフの読み取り問題が中心になっていますが、記述のときに 以下の2点に気を付けてください。
- 「年々」という言葉は使わない!
たとえば「日本の高齢者人口の割合は"年々"増加している」と書くときに、与えられた資料が10年おきの統計であれば その間の年で必ずしも増加しているとは読み取れません。
また、1年おきの統計が記されている場合で、そのうち一度でも反転している年があれば、「年々」という言葉は使えません。
基本的にこれらの条件を満たす資料は出ないので、「年々」という言葉は使わないほうが無難でしょう。 - 常識で答えない/資料で読み取れないことは答えない
農業従事者に占める高齢者人口の割合は増加傾向にありますが、「これからも増加し続けるだろう」といった "資料から読み取れないこと"は、仮にそれが正しいこと(事実)であっても不正解(もしくは減点)となります。
公民分野は3年生の約半年間で学ぶ内容ですが、配点はほかの分野と同じく20点あります。
つまり、地理・歴史分野に比べて 毎回の授業で学ぶ内容が入試の得点に結びつきやすい科目になるので、
しっかりと復習をして できるだけ高得点を狙えるようにしていきましょう。