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第8回(2017年9月16日)

"必要とされる"ということ

以下の内容の一部は、5年くらい前の中学3年生(順当に進学すれば大学2年生かな…?)に話していた内容です。

一般的にこの学習業界は「(もらえる給料が仕事量の)割に合わない仕事」といわれています。 もちろん、いわゆる"プロ(カリスマ)講師"や"ベテラン講師"になれば話は違うかもしれませんが、 この業界で働いている9割くらいの人はこれが当てはまるのではないかと思います。
とりわけ自分が行っているのは 正社員でもアルバイトでもない"ボランティア"なので、指導したことによる給料も発生しません。

こんな話をすると、「なぜそこまでして学習指導をするのか?」という疑問を持つ人も出てくるかと思います。
以下はかなり個人的な意見なので、みんながこの考えをしているとは思わないほうがいいです(苦笑)

まず、「お金では買えない価値がある」と思っているからです。
立場的には勉強を"教える"ことになりますが、同時にみんなから"教わる"ことがあります。 これまで(1度きりの子も含めたら)数百人の生徒を指導してきましたが、どんな子にも共通して自分の考えを持っています。
その"考え"の内容は人それぞれだとしても、学習会のたびにたくさんの生徒からたくさんの言葉にならない教訓を得られます。 そして、この教訓は"学習指導"でしか得られないものだと思っています。

次に、「子どもたちから必要とされていること」を感じるからです。
これは単なる自己満足というか 勝手な思い込みの面もあるかもですが、現在 市内3か所の拠点を中心に 計4か所の学習会に参加しています。
このうち2拠点はもうすぐ丸2年以上となりますが、子どもたちからもかなり親しまれるようになりました(笑)
たまに私用でお休みをいただくときがあり、そのときは「あの人はいないの?」のようなことを聞かれているそうです(苦笑)

学習内容の質問はもちろんのこと、頻度はそれほど多くないですが プライベートな質問を受けることもあります。
さすがに恋愛経験のない自分に恋愛相談をされたことは一度もありません(…と思い返すと、2年前くらいに 本気の恋愛相談を受けたことがありました)が、そういったプライベートなことは子どもたちも繊細なので、 ある程度信頼できる人でないと話してくれないと思います。
そして、"学習面の変化"とともに、"その子自身の変化"も垣間見ることができます。 それは思春期特有の変化なのかもしれませんが、"人としての成長"が見られるのも学習会ならではかなと思います。



…最近で特にうれしかったことといえば、8月に仕事の有給休暇を取って、1度きりで参加した とある拠点の生徒の話です。 その日は2人の生徒を担当して、2人とも数学の方程式を学習しました。
残念なことに、平日開催の拠点で職場からも遠いので、普段はどうしても顔を出すことができませんが…。

そういうわけで、普段からその会場に参加している講師に 最近の様子をうかがったところ、なんと当時担当していた生徒が 「初回に担当した男の先生ってもう来ないんですか?あの先生の数学の教え方が分かりやすかったです」 といった旨の話をされたことを聞きました。
実際の指導時間は40分もなかったし、そんな大したことを教えたつもりもありませんでしたが、 たったそれだけのことでも印象に残してもらえたことはとてもうれしかったです。

指導の仕方は十人十色、理解の仕方(本人が納得するような教え方)も十人十色で、その双方が合うことは難しいと思います。 そのとき担当していた子が自分を必要としているのかはわかりませんが、そういった(生徒がその場にいない講師のことを 気にかけるような)話を聞けるのも、学習指導を続けられる理由のひとつです。